emily

真夏の体温のemilyのレビュー・感想・評価

真夏の体温(2017年製作の映画)
3.0
 ニューイングランドの田舎町、うだる暑さが続く夏のバケーション。アイリスは帰省したキャサリンと久しぶりに会い、いつもの湖ではしゃぐが、4か月前に亡くした親友の事がいまだ心の傷となっている。二人でいれば自然に思い出す、悲しい事故の事。その苦しみから逃げるように、二人はいけない情事に走っていく

 ジュノー・テンプル&ジュリア・ガーナーのダブル主演で、真夏の太陽のぎらぎら感が伝わる、壮大な田舎町できらびやかな夏の一コマを、不穏な音楽で包み込み、逃げても付きまとう親友の死との葛藤を繊細に描いている。

 湖、壮大な自然に包み込まれ、ひと夏の失敗を乗り越え、夏を追えていく。二人が悲しみに向かう中で、大人と子供が混在し、揺らぐ心の先に情事がある。吐き出したかった心の痛み、吐き出せなかった心の痛み、自分を傷つけ、痛みを感じる事で、罪悪感から逃れようとする。そうあなたのせいだと罪に問われた方が楽だったのかもしれない。ひと夏の情事はおわり、夏も終わっていく。かなしみは溶けなくとも、それと共に生きていくしかない・・・
 
 
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