ゆうたま

長江 愛の詩のゆうたまのレビュー・感想・評価

長江 愛の詩(2016年製作の映画)
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長江を舞台にした中国映画。まず映像がとにかく素晴らしい。長江が舞台ってだけで、個人的にかなり上がるポイントなのに、画的にこの上ない程とてつもなく凝っていて、始まりからテンションが上がりまくり。シーンごとに「え、そこから撮っちゃう?笑」とか、「画に凝りすぎ笑 スタッフ大変だったろうなー」という風に思わずツッコミを入れたくなるぐらい、とにかくこだわりの映像に圧倒される。そして、三峡ダムの現在の姿も映し出されており、ジャ・ジャンクー監督の「長江哀歌」で沈む前の映像を観ている身としては何だか感慨深かった。そして、ロウ・イエ監督作品常連のチン・ハオさんや「長江哀歌」を始めとするジャ・ジャンクー監督作品に多数出ているワン・ホンウェイさんが出演しており、撮影はホウ・シャオシェン監督作品やウォン・カーウァイ監督の「花様年華」などのリー・ピンビンさんが担当していて、この点も上がるポイントだった。中華圏の才能を集結させ、中国でしか撮れない作品になっていた。内容も詩的で難解だったので、もう一度見直すと更なる発見がある作品なのではないかと思う。全体として、とても好きな作品だったし、余韻の残る作品だった。いつか映画館のスクリーンで観てみたい。
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