好き嫌いが分かれそうだが、クリエイターが好き勝手やってる作品が好きな自分には割とハマった。
素材をとにかく突っ込んだ闇鍋なので「今何味の何を食べさせられているのか」を提示されないと咀嚼できない人は受け付けないだろう。
内容は連続ドラマの1シーズン1話目を丸ごと描き、2〜最終話をダイジェストで紡いだ様な忙しい時間割になっている。
まず脚本のバランスが特殊で、本来パニックものであれば第一プロットポイント(1/4時点)で起こるべきイベントがミッドポイント(1/2時点)で起こるスロースターター型。
結果、丁寧に風呂敷を広げてはいるもの時間の都合で畳み方は無様だ。
個人的には前半の空気も割と好みで高評に至ったが、ここを乗れない人からしたら全編つまらないのも頷ける。
そもそも学園、科学組織、啓発団体という三竦み構図は活用できてなかったので、前半そこに費やしたシークエンスを丸ごと削って物語を前のめりにしたら良かったのでは無いだろうか。
なんだか、すごく親身に相談に乗っていたらいきなり突き放されて「もう大丈夫！」と言い渡された気分の映画だった。個人的にはこの不親切さが悪く無いのだが。
キャラクターも設定も好きなのでドラマでリメイクでもしてくれないかな。
ニッチすぎて無理か。
