サラリーマン岡崎

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

3.6
世界まる見え?かなんかのテレビで特集されてた時は、
このミセス・ウィンチェスターは霊媒師に騙されて頭がおかしく、滑稽にコメディとして描かれていた。

今作は真逆でホラーとして彼女の真の抱えていた思いに寄り添う。

とは言いつつ、第三者から見たら、そりゃ滑稽なのはしょうがない。
自分が株主のウィンチェスター社は銃を稼業にし、殺人で稼いでいる。
その銃で死んだ霊に呪われてるから、
家を増築しなきゃというよくわからない思想なんだから。

テレビの時は、この霊を閉じ込め、逃げるために増築をするように描かれていたが、
映画では霊と向き合うために増築している。
なので、ミセスは苦しみから逃げるのではなく、
自分や会社が背負った罪を懺悔するために霊たちに場所を与えている。
まぁ、でも確かに霊がいる家に住みたくないから、向き合うしか意味ないよな。
しかし、会社は組織なので、銃産業はやめられない。
だからこそ、ミセス自身も犠牲者ではあるので、
ヘレン・ミレンのあの凛々しい老女具合がとても合う。
怯えてはいないもん。
怖い映画だけど、優しさで包まれている。

ただ話としては、呪いのために増築する「家」が主人公の話なので、
起承転結が入念にあるわけではない。
そういう意味で起承転結それぞれの繋ぎが浅く、この映画自体がこじんまりとしてしまっている。
序盤の怖がらせは結構確かに怖かったけど、
物語としての推進力は全体的に弱い。
だからか、まぁ、でも滑稽には見えるよなと思ってしまうのは僕だけだろうか。