モウドクウサギ

ヘドローバのモウドクウサギのレビュー・感想・評価

ヘドローバ(2017年製作の映画)
4.5
とある団地を牛耳るのは、不死を謳う怪しい宗教のカシラであるババアであった。彼女は暴力で人々を屈服させる凶悪な二人の孫を従え、不動の地位を築いていた。障害を持つ妹とともに住む掃除屋も、彼等の言いなりになっていたが…。全編iPhoneで撮影し、その内容も「コンプライアンス」を嘲笑う、下劣で挑戦的な内容。しかも超面白いから困ったものだ。団地というステージを活かした悪夢的かつ不条理な世界に、常軌を逸したキャラクターたちが跋扈する。金じゃ無い、アイデアとチャレンジ、そしてアットホームな唯一無二の作品。「蠱毒ミートボールマシン」の西村プロデューサーが、強烈な印象を残す造形を施し、物語後半はさらに加速する!
小林監督作「全員死刑」も記憶に新しいが、個人的には圧倒的にババアが好み…、だがマトモな映画館じゃ、こんなの流せねえよ!舞台挨拶でこの2人に加え、演者たちの苦労話を聞けたのも良かった。邦画の歴史に今後もクッキリ汚点を残して欲しい。