てれ

ブレッドウィナー/生きのびるためにのてれのレビュー・感想・評価

4.6
原作の物語「生きのびるために」を読んでから観た。映像化のしかたが素晴らしかった。

女が知識をもつことが禁じられた過酷な環境のなかで、まだあどけないパヴァーナを通し文字や言葉の大切さが伝わってくる。本が好きで、言葉を読み書きするパヴァーナは強い。それはタリバンの兵士よりも。そんな彼女の姿は、教育が世界を変えると主張したマララを思い出させた。

また抑圧したりされたりする世界で、ラザクみたいな人も多いのではないかと感じて悲しい。抑圧された環境で傷つく→自ら虚勢を張り弱者を虐げなければ生きていけないというのが負の連鎖だ…

劇中での物語が語られる場面では鮮やかな絵が印象的だった。アフガニスタンは、ほんとうは風土豊かで美しい国だと思わせる。

「怒りではなく言葉を伝えて 花は雷ではなく雨で育つから」
パヴァーナの心からのこの願いに、目を背けることはできない。
てれ

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