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恋は雨上がりのようにのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

サクッと観られる爽やかな映画。バイトの女子高生とファミレス店長のオッサンの恋という、ともすれば下品になりそうな題材を、一歩引いた落ち着いたトーンで綺麗に描ききっている。

湿っぽくなりすぎない小松菜奈と大泉洋がとても良いのだと思う。特に大泉洋の存在感は素晴らしい。見た目は全然パッとしないのに、話しているうちに「こりゃ好きになっちゃうわ」という説得力。常に一歩引いた大人の視点に立ちながら、実は夢を諦めきれずもがいている姿は何とも魅力的に映る。

この店長が常に一線を引いた状態で主人公に接してくれるため、こちらが終始安心して観ていられるのも大きい。恋人同士にはならないけど友人としての関係性を続けていく、ひょっとしたら進展する可能性もあるかもしれない、という爽やかで希望の残る終わり方も良い。

正直、映画としての出来は褒められたものではないと思う。演出は過剰だし、台詞や展開は不自然なものばかり。いかにも漫画原作といった域を出ていない、ザ・邦画の感じ。それでも役者の力だけでここまで見応えのある作品になるのだから凄い。

恋愛映画というより、"大雨の"モラトリアム状態にあった二人が一緒に"雨宿り"をし、その"雨が上がる"過程を描いた話。なかなかの佳作だった。
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