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恋は雨上がりのようにのtouchのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.0
"人を好きになるのに 理由なんていりますか?"
* * *
まっすぐひた向きに走る少女
その横顔は、偽りなく美しい。
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『帝一の國』『世界から猫が消えたなら』の
永井聡監督 最新作。
甘酸っぱい青春のひと時とくすぶる中年の人生が交差して、美しい化学反応を起こす。
巷に溢れる陳腐な恋愛漫画の実写化映画とは一線を画した
プラトニックな淡い恋を描いた瑞々しい良作。
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抜けるような青空から、教室の窓へとじっくりと寄っていく空撮。
冒頭から見事に引き込まれた。
そこからの緩急の効いた画作りも◎
横浜の小高い住宅地の坂道を、ポルカドットスティングレイのあの曲に合わせて駆け下りていく。
物語を急発進させるような、疾走感溢れるオープニングが小気味良い。
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…いや、そんな前置きはいい。
とにかく小松菜奈様が美しいのだ。
クールで大人びたルックスに反して、乙女チックな性格の主人公:橘あきら
その蠱惑的なキャラクターを原作そのまま見事に再現。
彼女の魅力を最大限に引き出した、小松菜奈のプロモーションビデオと言っても過言ではない。
彼女からは何というか、視線を釘付けにする不思議な引力のようなものを感じます。
小松菜奈様を拝むためだけにもう一回観たいくらいです。
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京急沿線の閑静な住宅街やデートスポットの桜木町
差し込む陽光が美しい名建築の神奈川県立図書館
画面映えする撮影地選びにも抜かりない。
原作に準拠した、横浜ならではのローカルな空気感をしっかり織り込んでいる。
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最も印象的だったのは"約束のデート"の場面。
よく似たシークエンスを連続させることで、恋する乙女のテンション(=モチベーション)の対比を上手く表現していた。
このコントラストを目の当たりにして
デートって結局、"何をするか"じゃなくて、"誰とするか"なんだよなぁ…
なんて、しみじみ考えさせられたり。
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雨上がりのような、晴れやかな気分で映画館をあとにできる
頑張る人の背中を後押ししてくれる作品。
デートムービーにもオススメです。
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