Masato

恋は雨上がりのようにのMasatoのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.2

授業全部が急に休講になって、暇を持て余したから見てやろう(傲慢)という思いで鑑賞。

止まっていた時が、動き出す。

予告編だと、45歳バツイチのオッサンと17歳の女子高生が恋をするラブコメみたいな雰囲気があったけど、実際はそれだけでなく、恋をする事でオッサンと女子高生双方のパーソナリティを引き出していく映画だった。

恋愛、女子高生のあきらがやっていた陸上のスポーツ関連、幼馴染との友情、様々なドラマが独立しているのではなく、絡み合って1つのテーマに収束していくので、ぶつ切りになることなく、自然とひとまとまりに観れるような作りで良かった。コミカルな部分が多く、またシリアスな部分もちゃんと描かれる。軽々しいストーリー展開ではなく、より現実的に受け止められるような苦いものもあって良かった。

45歳でまだ希望を引っ張っている人と17歳で希望を諦めた人が出会う事で、互いの足りない部分に気づき、互いに成長していき、止まっていた時間が動き出す。これは、ただの恋愛映画ではなかった。いや恋愛映画ではない。青春とも一概には言い難い。年の差の2人を描くことで2つの世代に共感を得られる。これはヒューマンドラマと言うとしよう。

演出で言うと、監督の永井聡は「世界から猫が消えたなら」でも同様に、コントラストを薄めた非常に淡い色(特に青)を表現するのがとても多く、今回は「雨」が一貫して絡んでくる内容だったので、相性が非常に良く、本当に「滴る」ような映画だった。10代の瑞々しさの表現も併せて相性が良かった。
キャスティングはお見事と言うしかなく、小松菜奈のフレッシュさときたら文句が言えないし誰にも言わせない。大泉洋の溢れ出る優しさや人情深さがまた良い。


余談だが、男性諸君が目に行くのが小松菜奈のプロポーションであるが、全くもってけしからんな映像だった。部屋着がけしからん。
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