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恋は雨上がりのようにのKKMXのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
3.8
贔屓の小松菜奈目当てで鑑賞しました。予想以上に小松菜奈の魅力が爆発していた映画でした。

小松菜奈演じる橘さんはクールでツンとしたキャラクターなのですが、これが彼女の持つ少し浮世離れした雰囲気にぴったりでハマり役でした。店長と一緒にいるときに破顔するのですが、これがまた可愛らしく、普段のクールさとのギャップで魅力が倍増するように感じます。
小松菜奈は清純な雰囲気で品のある美女ではありますが、なんとも言えない独特の神秘的な色気も持ち合わせてます。決してセクシーな役柄ではなかったのですが、淡い妖艶さがそこはかとなく匂い立っておりました。爽やかな物語ではありますが、年齢差の恋愛という設定とともにひと匙の妖しさが差し込まれたように感じました。
このように、『坂道のアポロン』から引き続き、小松菜奈の魔性にヤられております。美女を撮るのが天下一品のウォン・カーウァイおじさんに、是非とも小松菜奈映画を撮って欲しいところです。

小松菜奈アイドル映画の側面もありますが、大泉洋も魅力を存分に発揮していたと思います。作中でクサいとか言われて魅力ないように語られていますが、歳いっても長身痩躯、明るく柔らかな雰囲気で優しいとなれば、十分現役です。だから橘さんも店長を好きになれたのでしょう。これが不潔な見たくれのおじさんだったら明らかに違う展開になっていると思います。外見と雰囲気大事です。

本作はラブロマンスというよりも、より深いとろこでの人間同士の繋がり合いによる再生の物語だったと思います。結末がどう、というよりもプロセスにとても栄養素が詰まっている印象です。図書館のシーンは白眉で、2人の関係性が緩み、それぞれが引っかかっている過去のテーマと出会っていく流れは引き込まれました。
橘さんの同級生やライバル、店長の友人の作家など、脇役もなかなかでした。

正直、もう少し静かな演出が好みなのですが、そうなるとポップさが弱まり、シネコン映画ではなくなってしまうような気もするので、このくらいが良い塩梅なのかもしれません。
深い感動を得ることはありませんでしたが、好感は抱いています。清純で良質な映画だったと感じています。
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