タケオ

恋は雨上がりのようにのタケオのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
3.6
「ジャッジ!」や「帝一の國」を手掛けた永井聡監督が新たに制作した眉月じゅんによる同名漫画「恋は雨上がりがりのように」の実写化である本作は、漫画の持つ繊細かつ奥深な物語を映像に落とし込むことに成功したとは言い難い。

しかし、劣化実写化と揶揄される作品が続々と増えていく中でも、まだ実写化に値する作品が確かに存在することを本作は見事に証明した。

また、小松菜奈や大泉洋をはじめとした俳優陣のアンサンブルも非常に心地よく、夢を諦めた女子高生橘あきらと夢を失ったファミレス店長近藤正己の交流劇に甘酸っぱさと爽やかさ、優しさと温かさを吹き込んでいる。

原作が好きなため、店長とあきらのハグシーンや演出に多少の不満はあるものの、原作の雰囲気を崩すことなく再構成できた実写化作品の数少ない例の1つといえるだろう。

こういった日本の青春ストーリーは苦手だという方も多いとは思うが、この作品は特に社会人男性に鑑賞して頂きたいと思う。

なんだかんだで本作は、女子高生の青春ストーリーであると同時に汗水たらして戦うサラリーマンたちへのラブレターでもあるのだから。
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