「よく見てみなよ、あれ、おっさんじゃん」
と登場人物の誰かが言っていたように、ヒロインの女子高生のお相手となる男・大泉洋は完全におっさんであった。
JKが同級生と恋に落ちたかと思えば余命わずかだったり、学園の黒王子に奴隷扱いされたり、センセイと禁断の恋に落ちたりといったラブコメは腐るほどあるだろう。
そんななか、「バイト先のファミレス店長を好きになるJK」という設定は、たぶん珍しいのではないか。しかもそのファミレス店長を、松潤や生田斗真でなく、普通のおっさんが演じているというところが最大のミソ。
そんなおっさん相手に〝漫画原作のラブコメ少女〟がまっすぐ目を見て「す…好きですっ！」とか言いだしたら、どうだろう。キモイだろう。
そんな絶体絶命の状況を「あれ？ なんだか見れちゃうよ？」の域までのし上げることができるただ唯一の女優、それが小松菜奈である。
あの憂いをたたえたクール表情のおかげなのか何なのか、なぜかキモくないのだ。
……大泉洋と広瀬すずだとキモイ、大泉洋と有村架純でもキモイ、大泉洋と小松菜奈はキモくない、大泉洋と土屋太鳳はキモイ、大泉洋と永野芽郁もキモイ、大泉洋と橋本環奈もキモイ、大泉洋と小松菜奈はキモくない。、、、、なんで！？ どうして！？ ホワイジャパニーズピーポー！！！
そんな唯一無二の女優・小松菜奈のおかげで見るに耐えうるラブコメになりましたとさ、チャンチャン！ ……かと思いきや、そもそも話がよく仕上がっていてびっくり(笑)
胸キュンの一歩手前の関係をキープしつつ、お互いがそれぞれの一歩を踏み出す成長物語に昇華させるという見事な仕上がり。美しき雨宿りの恋。
