Emma

恋は雨上がりのようにのEmmaのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.0
思っていたよりずっと良かった。

まず、オープニングの掴みから素晴らしい。音楽、カット割り、映画全体のシーンの色のトーン、全てが計算され尽くされた感じで無駄がない。

全編通して思ったのはおしゃれな長編webCMを見ている感じ。小松菜奈ちゃんの透明感が眩しすぎて、ポカリスエットのCMか!ってくらい清涼感がすごい。彼女がシーンに登場するだけで、誰も代役になれないくらい透明感があって、多少の棒読みや固いお芝居も、まあ彼女ならいっか!と思わせてくれる圧倒的な存在感とルックス!小松菜奈はやっぱり小松菜奈にしか演じられない〜!ちょっと自分でもなに言ってるかわかんない〜!笑

大泉洋さんがふっつーにかっこよく見えた。ファンの人には申し訳ないけど、自分としては初めて彼のことをかっこいいと思った!ちゃんとかっこよく見えるし、小松菜奈がおじさんに惚れる?!いやいや無理無理と思ってたのに、ちゃんと成立する感じが良い。なんの取り柄もなさそうな平凡なおじさんという設定だけど、その平凡さ自体が最高の魅力になるのは、大泉洋さんのお芝居だからこそ。本当に良いお芝居。

んで、全体的に素晴らしいからこそ許せないのが3点。

これは言わずもがな誰もが思ったでしょう、山本舞香の関西弁。はい、アウト!関西出身の人と見てたのだけど、爆笑してました。舞香ちゃん可愛いし、足早そうだし役にぴったりな太々しさがよかったから、あまりに不可解な関西弁に椅子から落ちそうになった。

二つめに、小松菜奈ちゃんの足!あのね、ちょっと前まで走りまくってたはずの人はあんな真っ直ぐな足じゃないな〜…リアリティがなかった。俊足にはとても見えなくて。でも走ってるシーンの疾走感はほんと上手く撮れててスタッフの技量に拍手でした。

3つ目にカセさん?だったかな。バイト先であきらを口説こうとするこの男、なぜにそこまで執着する?ってちょっと見てて腑に落ちなかった。原作を見てるひと向けに端折られてるのかな?私は映画だけ見てみたので、ちょっとカセさんが浅く見えました。単純におとせない女がいないタイプのカセさん的にあきらが振り向かないのが気に入らないのはよく分かるけど、店長は絶対にお前を好きにならないとか、そこまで辛辣な言葉で人の恋路を邪魔する必要ってある?とちょっとハテナマークでした。それはたぶん、カセさんがそこまであきらを好きになるきっかけや描写がなかったから、あとお芝居がちょっとキザ過ぎたからかな〜。漫画原作だからそれもまた味といえば味なのか。

ちなみに最後、あきらのかわりに出てくるバイトちゃんのウザさがやばい。登場シーン7秒足らず?であんだけ人をイラつかせるお芝居、すごいわ。

総じてとても楽しめたし期待値より上をいく作品でした!なんかラストすごくジーンときちゃったし。ただの可愛いJKとおじさん店長の恋愛っていう変わり種の作品じゃなくって、諦めないこととか、自分から逃げ出さないこととか、テーマがとてもしっかりしていて良かったです。
Emma

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