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ゲティ家の身代金のkassyのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.2
試写会にて。

実際に起きた世界一の金持ちのジャン・ポール・ゲティの孫の誘拐事件を基にした映画。

面白かったところもあるけれど、全体的には、、と考えてしまう。

事前に事の顛末を調べていたので、結末は知っていても、ポールの行く末は気になり、2時間越えだが飽きずには見れた。

しかし、誘拐事件なのだから、とにかく緊迫しても良さそうなのだが、すったもんだの長いスパンの誘拐劇という事で、どうも劇中の人たちの緊迫感があまり感じられない事がチラホラ。序盤はまだしも、後半でも…。

金を出さないケチケチじいさんは別に良いが、ケチケチじいさんの手先のチェイス…あんた…なにしてんの?って何回も思った。いや、最終的にはカッコよかったのだけど。立ち位置が非常に微妙。ラストのやり取りも、そんな関係にいつなったのよ?謎謎。

息子を必死に救出したい母親アビゲイルも、発狂してもおかしくなさそうなのに、強くて勇敢な面が前面に出されている。母が強くなくては爺さんに対抗出来ないわけだから、ある意味で正解ではあるものの、どことなく「でも弱いところもっとあるでしょうに…」と思ってしまう。ミシェル・ウィリアムズの迫力が強調されすぎ…?

マフィア側もどこまで実話なのかはわからないが、チンクエンタのやり取りを見せて、マフィアにも良い人いるんだよ、とでも思わせたいのだろうか。どうもスッキリしない。耳、痛かったよ…。

ゲティ爺さんのあまりにも金を出さないケチケチっぷりは逆に面白いぐらいである。ところどころ爺さん絡みで笑いが起き、最後のシーンでも笑いが起きていた。いやしかし、本来は笑うべきではないシーンだろう。それなのに笑いが起きてしまう…というのは失敗ではないだろうか。
滑稽で哀れだということだろうか。
もう少し色々な想い渦巻くシーンでも良かった気がする。
そういった面も含めて、モヤモヤの残る映画だった。
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