abee

ゲティ家の身代金のabeeのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.9
【ゲティおじいちゃんはけちんぼ】

偉大なるリドリー・スコット監督(本当はお兄ちゃんより弟派)、好きな俳優として5本の指に入るマーク・ウォルバーグ出演の最新作。凄く楽しみにしていた1本なのですが、目にするレビューが微妙なものが多かったので複雑な気持ちで映画館へ。

結果として凄く面白かったです。
マーク・ウォルバーグが助演に徹している作品は近年珍しく、新鮮でしたね。

1970年代、石油取引で巨万の富を得、世界一の大富豪として知られていたジャン・ポール・ゲティの孫、ジョン・ポール・ゲティ3世が誘拐されたという実際の事件を描いた作品。冒頭に「based on true story」ではなく「inspired by」となっていたので、鑑賞後この事件について調べてみましたが、概ね史実通りに描かれているようです。えげつない事件があったもんですな。
こんなにハードな体験したらその後の人生まともに生きれないです。かなりヘヴィなストーリーなのですが、何故かライトに観れる不思議な作品。それもこれも全てクリストファー・プラマー演じるゲティおじいちゃんの愛らしいキャラクターのおかげです。

ゲティおじいちゃんはとにかくけちんぼです。孫が誘拐されているというのに身代金の支払いをやたらと渋る。そこが何やらチャーミングに描かれていてどうも憎めないのですね。劇場でも笑いが起こる程です。急遽のキャスティングとなったクリストファー・プラマーですが、結果として功を奏してましたね。

1970年代ということで、ヒッピー文化全盛期。孫のポールとその父はヒッピーだったようでその空気感もかなりイケてました。

全体的に重厚感があり、目を覆いたくなる描写も真正面から描いてあって、リドリー・スコットの映画観たわぁという満足感が大いに得られました。リドリー・スコット作品はSFものよりこういうtrue storyを扱ったものの方が好みだなと思いました。

ということで、エグいシーンもリアルに描いてあって、久しぶりに「うえっっ」ってなるような作品でしたが、予想できないストーリー展開でエンディングに向かってどんどんと引き込まれていく魅力的な作品でした。登場人物それぞれのセリフも詩的というか響くものが多くて記憶に残る作品になりそうです。

もう一回観たいなぁ。