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ゲティ家の身代金のTSUBASAのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.7
【誘拐犯と吝嗇家富豪に悩まされる母親】78点
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監督:リドリー・スコット
製作国:アメリカ
ジャンル:サスペンス
収録時間:133分
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2018年劇場鑑賞50本目。
金持ちは金持ちでも多種多様。類まれなケチ男を拝めたので満足度はある意味高いです。こういう実話をベースとした映画は内容の良し悪しにかかわらず、単純に「知っていることが増えた」と感じられるため嬉しい限りです。世界有数の金持ち、石油王であるジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐されるのですが、彼は超金持ちにもかかわらず類まれな吝嗇家であったため、なんと身代金を払うことを断固拒否するのです。今作はその誘拐犯と吝嗇家ゲティの間に挟まれる孫ゲティの母親の葛藤を描いた映画であり、まずまずの面白さであります。

吝嗇家とはいわゆるケチな奴ということでして、読み方はりんしょくか。彼が吝嗇家だということは冒頭から読み取れます。驚くことに、これ程の豪邸にも関わらず洗濯物は自分でしてるとのこと。執事的な人を雇わずに自分が出来ることは自分でして、無駄な金遣いをしないというのが彼のモットーのようです。節約家と言えば聞こえは良いですが、それが今回の事件では仇となります。そして払う気がないくせに、孫のことを愛してると断言する矛盾ぶり。金持ちになりすぎたらここまで感覚が歪んでしまうものなのでしょうか。

どうやら彼は自分が没頭するもの以外には金を費やさない模様。彼はローマ皇帝が暮らした大邸宅みたいなものを別荘として建てようとするのですから、真の吝嗇家とは言い難い節もありまして、一言でいうと自分勝手な富豪といったところでしょう。彼が身代金を払わないその理由は、たしかに一理あると思いますが世間から批判を浴びても仕方ないものでありましょう。

さて、孫ゲティは監禁されるのですがいかんせん1700万ドルという超大金を要求されているので中々解放されません。この母親のジレンマは相当なものでありましょう。身内に払える奴がいるのに払ってくれない。でも稼いでるのは自分ではないから嘆願以上のことは出来なく、脅迫をすることは許されない。普通の人なら逆上してゲティに金を払えと脅しそうな感じもします。自分の子どもの命がかかってるのですから。そう考えたらあの母親は中々冷静であったと言えます。

ただ無駄に間延びしている場面もあり、やや惜しいといったところ。物語に起伏はあまりなく、淡々と進んでいく感じ。そしてどうせなら吝嗇家であるゲティの心境や思想をもっと描いてほしかったです。ただ、一つの事件をこの映画を通じて知ることが出来たので、個人的には十分満足しています。