TakashiNishimura

ゲティ家の身代金のTakashiNishimuraのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.2
世界有数の大富豪になろうと思ったら、あそこまで変人でなければダメなんだなということはよくわかった。

だが、変人なら変人なりに、魅力や嫌味など様々な要素が複雑に絡み合った人間としての奥行きがあるだろうに、単に「ケチ」では片付けられない深いレベルでの人格があるだろうに、そこがうまく描かれていない。どっちつかずの人物になってしまっている。変人なら変人で、理解不要な奴なら理解不能な奴で構わないから、「変人で理解不能な奴である」ということの凄さをわからせて欲しかった。

ゲティ翁に限った話ではない。ミシェル・ウィリアムズ演じるヒロインも、それを助ける元CIA(マーク・ウォールバーグ)も、誘拐された孫も、単にいい奴悪い奴では割り切れない入り組んだ人間で、リドリー・スコット監督はそこを描こうとしてるんだろうなとは思ったが、上手くいっていない。

身代金を値切るなんていうスゴ技の背後に潜む、悪魔性でも天使性でも何でもいいから、驚きの人間性を見せて欲しかった。