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ゲティ家の身代金のレクのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
4.0
実際にあった誘拐事件をベースに描かれたサスペンス。
景観美と三つ巴の心理戦、視覚・精神的なバランスは良く、緊張感と緊迫感、役者陣の演技力に徐々に惹き込まれる幾重にも重ねられた厚みのある心理描写と展開に圧巻。
ゲティにスポットを当てた違う展開の映画も観てみたい。

某問題での代役と撮り直し。
ケビン・スペイシーならまた違った雰囲気に仕上がっただろう。
しかし短い撮影時間でクリストファー・プラマーの貫禄は素晴らしい。
言うまでもなく、ミシェル・ウィリアムズも素晴らしいのだが、最も評価したいのはマーク・ウォールバーグとロマン・デュリスだ。
主役ではなく、あくまでも脇役のポジションの理解と主役を引き立たせる絶妙なエッセンス。
彼らなしにこの映画は評価できない。

母親は強し。家族愛をしっかりと描きながら、家族の確執と誘拐犯との駆け引きに板挟みにされるこの構図。
そして、メインキャラクターに一貫性を持たせ、サブキャラクターの心理的変化を齎す演出が心を揺さぶる。
リドリー・スコットの手腕を見せつけられた素晴らしい作品だ。
最後まで飽きさせることのない秀逸な誘拐サスペンスとして仕上がっています。