ロキ氏

ゲティ家の身代金のロキ氏のレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.9
リドリー・スコットのこんなシックな映像表現が好きです。笑


超人的“どケチ”というスーパーパワーを持ったクソジジィにどうやって身代金を払わせるか?

母の敵は誘拐犯ではなく(もちろん悪い奴らなんですが笑)世界一の金持ちである祖父ジャン・ポール・ゲティ。

凄い。
こんな話があったなんて、知らなんだ。笑


身代金1700万ドルは一般の人からしたら到底払える額ではない。しかし祖父からしたら朝飯代を出す程度の金額。

なのに払わない。一切払おうとしない。
もちろん祖父の言い分を少しは解るが、孫の身代金に税金控除うんぬんを持ちだす所はもはや人間的では無い。


“母は強し”とよく言うが、正に演者ミシェル・ウィリアムズが見事に体現してると思う。

だが見方を変えれば誘拐犯、母、祖父そして記者達等のエゴ同士のぶつかり合い。


そこに中和剤というか、良い安定感をもたらしてくれるのが祖父が雇っている交渉人(マーク・ウォールバーグ)

今回のマークは声を上げたり走り回ったり銃を撃ちまくったりする様な役ではない。笑

常に冷静沈着で中立的立ち位置。
しかし後半、ジャン・ポール・ゲティに対し己の感情を露わにする彼はやはりカッコいい。


とりあえずこの映画は、銃アクションたっぷりのハラハラワクワクっていう映画ではないです。

むしろ淡々としてて、緊張感と持続させてく映画。

ただ個人的にはテンポも悪くなく、話運びも「母&交渉人」「祖父」「誘拐犯&息子」の三視点を交互に見せるやり方で鈍足にならずで最後まで楽しめました!


そして最早、誘拐犯よりジジィが胸糞悪く見えてくる映画です。笑


ただ一応、ネタバレというかグロが苦手な方に忠告……







なかなか金を払わないジャン・ポール・ゲティに対し、脅迫として息子の片耳を切り落とすシーンがガッツリ映りますので注意です。笑
ロキ氏

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