いずみたつや

ゲティ家の身代金のいずみたつやのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.9
ジャン・ポール・ゲティの人間性を、他人の痛みが分からない単なる金の亡者、という説明で終わらせなかったことに本作の魅力があると思います。

彼が心の奥底で追い求めていた"バラの蕾"が何か示される場面に滲む孤独と空虚さは、胸を締め付けるものがありました。

「人間は信用ならないが、美術品は裏切らない」と豪語する彼が、絵画の向こう側に"極めて人間的なもの"を見ていたというのは切ない皮肉でした。