もやし

ゲティ家の身代金のもやしのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
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ちょっと劇中のショッキングなシーンに心がやつれてしまったのでスコアはなしで…笑

実話を元にした作品。世界一の大金持ちのゲティじいさん。孫が誘拐され、身代金を要求されるが支払いを拒否。そこから始まる人間ドラマを描く。
もう設定からして面白そうって思ってしまうけど、結構見た後味としては重いものがあった。


じいさんは本当に何とも言えない複雑な人間として描かれている。
金の亡者ってほど狂気的ではないけど、だからといって完全にまともとも思えない。

でも、金を手にするってことは、本人の性格というよりは、周りの反応が一番変わるんだなと思った。
大金を持つことは、否応なく本人の何らかの態度が周りから強く求められるんだなと。


じいさんの日々の生活や会話や価値観が淡々と描かれるんだけど、空虚という言葉が浮かぶような嫌な感じを受けた。すごく乾いてる。
「悪の法則」を見てるときに感じた感情と似てる。同じ監督だからか?
人間というものが嫌になってくる。

でももちろんじいさんも一人の人間なので、ただただ空虚、ということでは決してない。
悩み抜いた末の価値観というものがある。



誘拐という大きな刑事事件なので、面白い映画というだけでは済まされないような描写も多い。
でもこの映画はやっぱり二転三転するストーリーが売りだと思うので、ぜひ予備知識なしで見てほしいです。

最後に来る後味はちょっと他では味わえないようなものがありました。
少なくとも自分は言語化は諦めました笑
好みは分かれると思いますが良い映画だと思います。
もやし

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