ちろる

ゲティ家の身代金のちろるのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.6
華麗なる一族を牛耳るクソじじい伝説。
まず、これは実話だそうだけど、事実はこれに描かれたものよりもっとゲスい感じだったらしい。
クリストファー・プラマーみたいな名優がここの役をやってしまったことで、なんかケチな事にも一つ一つにめちゃくちゃ意味があるんでは??と深読みしてしまうが、実際はどうなのか・・・
世界一の大富豪ポール・ゲティの孫は誘拐され、犯人の身代金はなんと1700万ドル!
それでも余裕で払える億万長者だが、クソじじいは孫のために払わないと言い切っちゃう。
一瞬彼の理論もなるほど・・とつい思っちゃうのですが、特別に思っている孫だよ、、何考えてるんだよ・・という予測不可能な展開は確かにほかの誘拐を扱う作品とは異なり緊張感ぎ漂います。

気丈な母親役に定評のあるミシェル・ウイリアムズ
誘拐犯の一味である男チンクァタを演じるロマン・デュリス
そして大富豪クリストファー・プラマー
ストーリーは驚くべき感動作とかではない代わりに、この3人の競演はお見事。

マーク・ウォールバーグも別に不可ではない演技ではあったけど、ギャラがミシェル1500倍だったと聞いてここで褒めるのはやめとこう。
だってミシェル・ウイリアムズの演技の方が数倍素晴らしいし、彼女の「愛」の表現だけがこの作品の唯一の温もりだったから。

ちなみにこの作品のポール・ゲティは当初ケヴィン・スペイシーで撮影を終えていたのにあるもかかわらず、#metoo運動により彼の出演シーンはお蔵入り。
急遽代役で演じたクリストファー・プラマーがだった9日間で完全にあのドケチ大富豪を自分のものにしたのはすごい!
色々と一筋縄では行かなかったというこれらの経緯と重ねてこの誘拐劇を観てみたらなかなか面白いかも。
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