Lana

リヴァプール、最後の恋のLanaのネタバレレビュー・内容・結末

リヴァプール、最後の恋(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「自分は年老いていて、相手と釣り合っていない。さらに自分はもう長く生きられない。自分のことを嫌いになってもらって、自分から離れていってもらったほうが、将来のある相手のためだ」

その相手と自分が、本当に、心から愛し合っている仲だとしたら、それは違うんじゃないか。

本当にそれで相手は幸せに思うのか。本当に自分を愛してくれている人だったら「病状を隠してほしくない」「そばで支えたい」と思ってくれるはず。その選択すら相手に与えないのはどうなんだ。「愛する人と一緒にいられてよかった」という幸せを、相手が望むなら、自分の状態を開示するのが、本当の思いやりではなくて…?

グロリアもピーターも、お互い不必要に傷ついて最悪じゃん、痛々しすぎる、自己犠牲で相手のことを、なんて片方の思い込みでやっちゃいかん。ピーターサイドからあのシーンを見れば、本当に訳がわからない。話してくれ、話してくれ、ごめん、何かしたなら謝るよと縋るピーター。話し合いができなくなったらおしまいだ。まして病気だなんてあの時点じゃ想像もできない。ひどい。グロリアの置かれた状況もパニックだろうけど、もう収拾がつかない。


こんな大事なことを言えないなんて、2人の関係は一体なんだったんだ?とまで思えてしまう。駄目でしょう、どんなに「自分が年老いて釣り合ってない」なんて、引け目を感じていたとしても。




自分を愛していない人なら、全てを開示して選択肢を与えたうえで、離れていくのでもなんでもすればいい(病人相手に「自分の将来があるのでさようなら」なんて辛辣なこと、言いにくいかもしれないだろうが)



綺麗事かな。でも深く愛し合うってそういうことだと思うのだ。そう信じたい。






キャラクター、特にグロリアはひたすら自己中で自分勝手な人に見えた。失礼だけど私にとっては面倒くさいことこのうえない女。年齢を重ねたら、私だったら、謙虚で穏やかに丸くなっていたい


監督すごくよかった。場面転換が鮮やか。
Lana

Lana