Scarborough

ウイスキーと2人の花嫁のScarboroughのレビュー・感想・評価

ウイスキーと2人の花嫁(2016年製作の映画)
4.0
試写会にて。
ウィスキー大好きなトディ島の住民が第二次大戦の影響で配給を断たれ苦しんでいたところに、5万ケースのウィスキーを積んだ貨物船が座礁…これは神様の導きに違いない。何が何でもウィスキーを飲みたい島民たちと、何が何でもそれを阻止したい大尉・関税消費税庁。貨物船から救出されたウィスキーを巡るドタバタ騒動を描いた作品。

一番の魅力は、やっぱり島の人々がウィスキーを本当に美味しそうに飲み干す絵。老若男女問わず、小さなグラスに入った黄金色の液体を一滴残さず、ぐっと飲み干す姿。堪らなく気持ちいい。そんな快活さは、彼らのユーモアのセンスにも現れていて、気持ち良く笑える映画だった。

事実に基づく映画は、いかにその事件や出来事を正確に描写しているかが重要だと思っていたけれど、敢えて、生々しさを消し去ってロマンティサイズされていたので、社会的メッセージ性など難しいことを抜きに、ウィスキーの魅力や島民たちのウィスキー愛を楽しめた。

鑑賞し終えて…ウィスキーをストレートで飲み干してみたくなった。監督さんオススメは、ストレートに一滴のお水を垂らす飲み方。そうすると、グラスの底から、モルトの良い香りが立ち上ってくるのだとか。

スコットランド訛りも最高。叩き音の/r/にときめかずにはいられない。島の風景にも。ポスターのカラフルでポップな色合いの海を見て、これ、本当にスコットランド…?と思っていたけれど、映画本編では、ちゃんと、優しい淡い色合いの海で、ほっと癒された。
劇中のスコティッシュ音楽は、思わずリズムを取りたくなってしまうくらい素敵。映画館で観られる方はくれぐれもご注意ください!
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