シュウ

ワイルド・ストームのシュウのレビュー・感想・評価

ワイルド・ストーム(2018年製作の映画)
3.3
新年早々景気の良すぎる映画。
こんなアホみたいな映画をまさか年明け1発目から観ることになるとは思いもしなかった。
ここまで来ると運気も上がりそうな気さえしてくる。

アメリカ西海岸に史上最大規模になろうかというハリケーン”タミー”が接近していた。
住民たちは続々と避難していくが、財務局にはちょうど汚損紙幣が運ばれてきていた。
シュレッダーと発電機の故障で計6億ドルもの紙幣が保管庫に残ってしまい、警備担当のケイシー(マギー・グレイス)は発電機修理依頼のために修理業者のブリーズ(ライアン・クワンテン)の店へと向かう。
しかしその直後に財務局を武装集団が襲撃、彼らはタミーの襲来に乗じて6億ドルの紙幣を強奪する計画だったのだ。
知らずに戻ってきたケイシーとブリーズは間一髪のところで逃げ出すが、ブリーズだけが強盗団に捕まってしまう。
ケイシーも銃を持った敵に追われて追い込まれていいたところに、ブリーズの弟で気象学者のウィル(トビー・ケベル)が通りがかる。
ハリケーンから兄を連れ出そうと町に来ていた彼だが、町中での銃撃戦で状況は一変、すぐさま最新鋭の災害用特殊車両”ドミネーター”でケイシーを助けに入るのだった。

「財務局に汚損紙幣の山がいつも運ばれて来てるな…」
「どうせ処分されるものなんやから困るやつもおらんやろうし、どうにか奪う方法とかないもんやろか…」
「せや!! 今度のハリケーン襲来の時なら警備も少ないやろうしどさくさ紛れに奪えるやろ!」
という、居酒屋で酔っ払いながら5秒ぐらいで思いついたような計画を本当に実行するバカ具合。
ハリケーンみたいな災害時の略奪は実際アメリカでは大きな問題としてあるわけだけど、いかんせんこの映画だとトーンはバカ映画のそれ。
監督が「ワイルド・スピード」や「トリプルX」のロブ・コーエンだからか、余計にその路線で固まってしまった。
にしてもロブ・コーエン、最近全然ヒット出せてないですね…

ハリケーンの調査用と言うにはあまりにパワフルでガジェット満載な車両”ドミネーター”。
なんかもう戦車とかバットモービルとかそういう類のやつにしか思えない。
もちろんそれを使わない手はない、派手に相手にぶつけたりウィンチで鉄塔を引きづり倒したりと大活躍。
さらに見どころと言えばやはり民家をひっくり返していくほどのハリケーンの災害描写。
こんな規模になったら普通強盗も諦めるだろというぐらいに、どんどん町がめちゃくちゃになっていく。
「ザ・ブリザード」や「ジオストーム」みたいなディザスターパニックは、このご時世なかなか映画館で観る機会は無いし、映画館で観なきゃ面白さが半減してしまうので、とても貴重だと思う。

キャラクターの描写の薄さや掘り下げの浅さは、いくらなんでもひどすぎた。
テンポは大事だからということでそれを切っていたとしても、この出来ならそこから全然よくなってるようには思えない
ケイシーの過去にあったことや、ブリーズとウィルが父親をハリケーンで失ってからどのように思って過ごしていたかとかは、最後のほうにあるのかなと思いきや、サラッとなぞった程度で終わってしまった。
それならそこに時間を割いて3人が過去を乗り越えるみたいな形にすれば、『レッドドッグ・オマハ22』の掛け声もカッコよくなったろうに…
というか、そもそもレッドドッグ・オマハ22って何だったんだ…?