MOON

銀魂2 掟は破るためにこそあるのMOONのレビュー・感想・評価

3.4
前作はコメディパートしか印象に残らずシリアスパートは退屈…と思ってしまいましたが、今作はシリアスパートがとても良かった。キーマンとなる伊東鴨太郎の人物像をしっかり描くことによってストーリーに深みが出たし、土方の想い。沖田の志。局長が慕われる理由。さまざまな思いが交錯した先にあった結末が哀しく美しく自然と泣けてしまいました。まさか銀魂で泣くとは…って感じではありましたが(笑)

逆にコメディパートがどうしたんだ?!ってぐらい自分にはハマらなくてビックリした(^^; 福田節は好きなはずなのに なんでだったんだろ…。慣れた?飽きた?パロディは元ネタを知らないと真顔で見てしまうし、なんかノリもツッコミも上滑り感が凄くてちょっと寒いとすら感じてしまいました。笑える笑えないは体調によるのか?と体調のせいにしたくなるぐらいの驚きw コメディもシリアスもどっちも良い!ってのはなかなか難しいのかな…。

お馴染みのキャラから新キャラまで総動員のお祭りという感じでしたがキャスト全員 持てる力を最大限に出しきった感は素晴らしかった。特に真選組の面々は前作の物足りなさを全力で払拭した感じ。安定の勘九郎さんとドSキャラがハマりすぎの吉沢亮。めちゃくちゃ良かった!

その中でも個人的MVPは柳楽優弥くん。役の切り替えめっちゃ難しそうだったじゃんw でも難解な役をブレずにやりきった事に拍手!笑いとキモさとカッコ良さが入り混じり。その巧妙さに感服。列車内での鴨太郎との決戦は2人ともカッコ良すぎてテンション爆上げになりました。

新キャラの鴨太郎も良かったー。いやー、久々に…と言っては失礼かもだけど、三浦春馬の正しい使い方を見たような気がしました。‪美形はヒール役やらせると冷酷さが増す。優等生や優男ばかりじゃ勿体ないと常日頃感じていたので今回はもうドンピシャ。コンプレックスの上に積み重ねた優秀さ。孤高ゆえの哀しさと愚かさ。それらを伝える演技力はさすがで 心揺さぶられました。

そしてもう1人の新キャラ万斉。驚くほど2次元造形なのに違和感なく存在している事にビビりました。窪田くんと実写映画の親和性が高すぎる(笑) あれだけの出番でもキャラの全容が見えてくるような感覚に襲われました。

ただ全体的にアクションシーンはちょっと残念。スローモーションを多用しすぎてて迫力に欠けた。もっとスピーディーかつ激しい立ち回りが見たかった。特に小栗さんや窪田くんは動ける人達なんだから映像処理なしで見たかったなぁ…。

そして場面がコロコロ切り替わる編集も個人的にはイマイチで。ラストの列車と城の二元中継みたいなのは盛り上がってきたところで場面が切り替わってしまう感じがあって、感情バロメーターもMAXになりそうでならない…を繰り返してしまい諸々もったいなかった。

原作を知っていれば もう少し満足度は高かったのかな? でもまだまだ続編は作れそうなので高杉周りとの決着も観てみたいです。
MOON

MOON