ギズモバイル

工作 黒金星と呼ばれた男のギズモバイルのネタバレレビュー・内容・結末

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

≪ざっくり評価≫
貴重な北朝鮮ガイドブック的な一面もある地に足ついたスパイ映画。
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総合評価 (/7) ☆ 3.9
シナリオ 4
総合演出 4
独創性 4
完成度 3
心理効果 4
相性(*2) 4
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≪突っ込んだ感想≫
ここまで克明に北朝鮮の上から下まで描写している映画は珍しいのではないだろうか?作中では主人公が与し易い商人を演じているので非常に良く喋るのだけど、心理描写に関しては皆無。それでもなお、北のディストピアみたいな街並みや総書記を目の前にした時の哀れみや緊張感が非常に良く伝わることから監督の卓越した演出スキルが伺える。あと主演の演技も相変わらず感心する。スパイ活動も面白いくせに地味なリアリティがあり、ハリウッドの007とかMIPとかのファンタジースパイアクションよりも好み。

本物から聞き取りしただけの事はあって内容に信憑性を感じる。まあプロット的に美化している部分はあるだろうけど。

当初の目的から主人公のターゲットが北から南へ切り替わる展開なのだが、南の汚さが強調される分、北がなんか善玉っぽく錯覚してしまう。頼られたら嫌とは言えず、ついついミサイルを打ち込んでしまう頼れる正日アニキに思わず微笑。あと調教に2500万ウォンかかったと言われるだけあってマルチーズに気品を感じた。

≪蛇足≫
まあ、結局そういうことで、組織を円滑に運営するには都合の良い敵が必要という現実が良く伝わる。現在北が飛翔体とか連発したり日本が韓国叩いたりしてるのも、良くも悪くも単純な理由では無いんだろう。