前作を観たらやっぱり続きが気になる、アニメ版ゴジラ3部作の2作目『GODZILLA 決戦機動増殖都市』。
前作終盤でのあまりにも絶望的な状況。真のゴジラである<ゴジラ・アース>に人類がどのように対抗していくかを描いた2作目・・・ですが、ゴジラ映画だったら当然このように描いて欲しいという願望をことごとく覆した作品。
もはやこれは特撮映画のアニメ版として見るのは難しくゴジラというキーワードが鏤められたSF映画として見るべきでしょう。
液体金属を彷彿とさせる”自立思考金属体=ナノメタル”の存在。ゴジラに対抗すべく作られた人類最後の希望<メカゴジラ>の機動。
そこに偽りはありませんが、あまりにも描き方が斜め上だったためにこのような概念と解釈の仕方もあるのかと驚きを感じせずにはいられませんでした。
サブタイトル「決戦機動増殖都市」の意味はそういうことだったのか・・・と。
前作と同様、ゴジラが出て来るまでがひたすら長い。
見せ場的なシーンをもう少し増やして欲しかった反面、劇中で人類と共闘する2つの異種族(エクシフとビルサルド)の思想や価値観がメカゴジラの存在によって顕在化し、困難な状態であるからこそ足並みを揃えることの難しさをまざまざと見せつけてくれました。
人知を超えた存在=”GOD”ZILLAに対抗するためには、人もまた人であることを捨てなければならない。
超合理主義か人間的な感情か、進化を受け容れるか否かはなかなか哲学的なテーマであり見応えがありました。
怪獣プロレスが観られなかったのは残念ですが、ガンダムとマクロスを掛け合わせたような新型兵器「ヴァルチャー」の造形や戦闘シーンは魅力的。だからこそ後半のシーンはもう少しきっちりと描いて欲しかったです。
3部作の2作目なのでストーリーが完結しないことは分かりきっていますが、人類の生き残りである「フツア」の民、ザ・ピーナッツ張りの双子ミアナ&マイナ、鱗粉と卵、ここから連想される者と「エクシフ」を滅ぼした者。
地球そのものである<アース>に対して、脅威は宇宙からやって来る。第3作目『星を喰う者』は2018年11月公開。
しかし、我々が認知している姿で目の前に姿を現すかどうかはまだ誰も知らない。