むぶどん

GODZILLA 決戦機動増殖都市のむぶどんのネタバレレビュー・内容・結末

GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ゴジラから地球を取り戻すために、数多の犠牲を払いながらも人々は戦い勝利を収めた。しかしそれは小型の亜種───あの時破壊を尽くしたあのゴジラは名状しがたいほどの大きさをもって人間らを圧倒、彼らはなす術もなく敗北する。超巨大ゴジラの登場と通信途絶を確認した母船・アラトラム号でも、地球奪還の機は潰えたように思われたが……。メカゴジラの発想は面白かったけどポスター詐欺感も否めない、アニメゴジラ全3部作の2作目。2作目だからというより、"いつものアニゴジのダレ展開"でした。でも面白いところは面白かった。
前作『怪獣惑星』は前半に説明が集中し後半にやっとゴジラとのバトルが始まる……というダレやすい構成だった。さすがに2作目だし上映時間も伸びてるし何かしらの工夫はあるだろう……と思っていたら、途中のちょっとした戦闘は増えていたけれども後はまったく前作と違いのない作り、しかも戦法まで同じ……"メカゴジラシティ"のインパクトのおかげで盛り上がりは多少あっても、全体の流れが変わらないと退屈。面白い部分は所々あるので、このあまりにもテンポ悪めでスローな展開がとても惜しい。簡単に改善できる部分でもないだろうからどうしようもないけども……。元々TVアニメにする予定だったのを『シン・ゴジラ』の大ヒットで劇場作品化に踏み切ったらしいので、それを映画に落とし込む過程で色々あったのかも。確かに引きの度合いは半年モノよりかは週間モノ寄りだし、映画にしたのは正直失策だと思います。それと、『シドニア』の衛人出撃シークエンスに毎回拘っていたり放送のだいぶ前に全話完パケまで仕上げていたポリゴン・ピクチュアズ製作の作品なのに、ほんのちょっと使い回しっぽいカットがあったのも割と驚いた。杞憂の事情ならいいけど、それほどまでに余裕がないのか……
地球に住む人類の子孫や、特にビルサルドの真意は面白かった。そもそも3つの目的の違う種族が志一つに集まるだなんてねぇ……今回スポットライト浴びたのはビルサルドだったけど、エクシフだって十分に怪しい(櫻井的に)ユウコのエグい退場のさせ方はやはりUROBUCHIの仕業ですかね……案外瀬下さん説あるかもだ。ナノメタルの涙とかエグすぎなんだよなあ……。それはそれとして、作戦前にばんばか死亡フラグぶち上げてたのは草でした。「逃がすつもりはないからな」という製作陣の鬼畜メッセージ、ばっちり受け取ったぜ……!今回は主題歌の空気感も歌詞も緊迫した感じで、作品にぴったり合ってた。
双子の少女やらメカゴジラやらで色々期待していた怪獣ファンには苦い作品になったんだろうな、と思いながら観てました。あのメカゴジラ、まともに動いたら結構かっこよさそうだったし……最後に"ギドラ"の名がメトフィエスから語られるけど、今作の捻くれぶりを見るにこちらもまた捻くれた形で出るのかもだ。でもまあ怪獣映画にわかとしては単純に楽しみ。とはいえやっぱ11月は遠いっすよね……!