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GODZILLA 決戦機動増殖都市のしののレビュー・感想・評価

GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)
3.0
前作より断然面白い。今回は主人公が人間として葛藤するというドラマがちゃんとあるし、アンチテーゼとしてのメカゴジラをああやって解釈して利用するのも新鮮だった。ただ、やっぱり台詞が冗長すぎるし説明的すぎる。決戦までが退屈だし、バトルの見せ方もまずい。

相変わらずラストまで我慢させられ続ける構成なんだけど、そのラストすら肩透かしだった前作に比べ、本作は「何として勝つのか」というドラマで見せていて興奮できた。逆にいえばそのドラマが無ければ酷いことになってた。クライマックスは前作と似たようなもんだし…。

フツアの民とのパートがやたら多い割に、本作だけだと登場した意味があまり感じられないのが大きな退屈要因。メカゴジラがビジュアルとして地味なので決戦に向けたワクワク感が出ないのも痛い。あとはひたすら会話劇なのでこれを映画的に見せることができればマシになるんだが…。

クライマックスは、ドラマは素晴らしいのに戦闘や展開だけ見ればやってることが前作と同じ。やはりゴジラの巨大感を演出する気はない。メトフィエスが離れたところでブツブツ言ってるところまで同じという徹底ぶり。しかしラストのあの問答や「涙」にはゾクっと来た。

繋ぎになりがちな3部作の2作目で、しっかりしたドラマを描いてくれたのは評価したい。「ゴジラに挑むのか」を描いた前作から、「何として挑むのか」へと発展していくので差別化できてるし次作への伏線にもなってる。ただ、エンドロール後の場面はあざとくてイラっときた。

ここまで観た印象だが、アニゴジはもともとテレビアニメとして企画されていたのもあって、脚本にも演出にも「これ一本の映画で楽しませよう」という気概を感じない。脚本は単体だとムダに感じるパートがあるし起伏がないし説明的。演出は映画としても怪獣映画としても非力。ただ、本作はどちらかというと脚本でもってた方だと思う。

次回の最終章では今まで焦らしに焦らした怪獣決戦がいよいよ観れそうで楽しみだが、その物量で色々ごまかされそうな気もしている。何にせよ見届けたい。
しの

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