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Love,サイモン 17歳の告白のTOTのレビュー・感想・評価

Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)
3.9
とても良かった。
自分は“平凡”と言いながら家族にも友にもゲイと告白することができない悩みを抱える17歳のサイモン。
揶揄やアウティング、カミングアウトの葛藤も恋の喜びも丁寧に描いてなお、ポジティブな世界を提示する物語。
‪何故ゲイだけカミングアウトしなきゃいけないの?ストレートは?という問いも投げかける。
その上で、誰かに打ち明ける、Loveと伝える勇気をくれる。
‪ニック・ロビンソンはじめ若いキャストが本当に輝いていて、上手いけど既視感強めのシットコムっぽい演出は『フェリスはある朝突然に』とかジョン・ヒューズ作品も思い出して、青春映画の新しいスタンダードになる気がした。
あと、方々で言われてるけど、インディーズでなく大手メジャースタジオがゲイのティーンを主役に青春映画を作ったのは、やっぱり大きな変化。
‪サイモンも家族も友達もいいヤツで、彼がやたらレコード聴いてて(しかも曲の趣味がキンクス、ホイットニー、ジャクソン5)、おしゃれな自室とか(黒板になってる壁紙いいね)、犬かわいいし。こんなのありかよ〜、いや…あってほしい…!っていう、憧憬具合がまた良かったり‬。
一昔前、LGBTをメインテーマにして、こんな希望に満ちた映画は無かったな〜。
それが辛くて、あればいいのにと思ってた。
だからこの映画は未来。未来は今。‬
セクシュアリティに悩むあなたへの贈り物、祝福、始まり。
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