なべ

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニングのなべのレビュー・感想・評価

3.8
美醜によって人を評価する社会の犠牲者(という思い込み)だったレネーだが、あるきっかけによって持ち前の魅力を発揮し始める。そのきっかけとはルッキズムの勝ち組になったという誤解。この誤解こそがこの物語のキモなのだが、うーん、どうレビューしたものか…。
10年前なら4.2点つけたとこだが、あの頃とはジェンダーロールやルッキズムの許容度がかなり変わっちゃってるからなあ。
そんなモヤモヤが気になって、手放しで笑えないのだ。いや、楽しくておもしろい作品なんだよ。でも、時折「ん?それでいいのか?」「いやいやいや、それじゃレネーの呪いは解けてないだろ!」とか思っちゃうのね。
昨今の女性蔑視の炎上CMを例に出すまでもなく、容姿コンプレックスをネタにするなら、それなりの目配せやエクスキューズが必要なはずなんだけど、そこをクリアしてない感じがする。
本来、「人の価値は容姿にあらず」をエンタテイメントとして成立させるには、かなりの知性とバランス感覚が求められるはずなのに。そういう意味ではこの作品にはちょっと隙がある。
その脇の甘さを差し引いて3.8点。

でもそういうことを気にしない人ならキャハハと笑える楽しい映画だと思います。ぼくは愛しのローズマリーの方が好きかな。

あ、イーサンは超いい奴だった!これは忘れてはいけない。
なべ

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