こめっと

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニングのこめっとのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

(原題:I Feel Pretty)

期待値高めで観始めた本作、期待値通りか、少し上を行く面白さでした。
太っていても関係ない!自分自身に自信を持って!というメッセージ性を見ながら渡辺直美さんを思い出しました。

物凄く現代を反映させているというか、現代の世論に叩かれないようワンポイントを入れました~!って感じのみえみえのシーンがいくつもあるんですが、不快になる程ではない。
(ゲイカップルのシーンやレネー自身、エイヴリーの声など)
ただ、脚本的には出来すぎだし無理があるシーンもあるし、観ていてイラッとするシーンも。(勘違いレネーの暴走とか、いくら新分野とは言え大企業の社長であるエイヴリーが市場マーケティングについて知らなさすぎる、とか。)
それでも「まぁコメディだし」と思えば充分流せる。

あと、レネーが見えてる綺麗なレネーもビジュアルで見てみたかったな。(笑)
単純に「レネーが思い描く理想のビジュアルのレネーってどんなだろう?」って興味と、そんなシーンがあれば、レネーのあの自信満々の理由も納得しやすくなったし、レネーに感情移入しやすくなるかも?
綺麗なレネーが見えないままだと周りの人達に感情移入しやすいかな。

自信を持ってからのレネーが生き生き見えるのは確かなんだけど、太ってる時からふくらはぎが見えるようなスカートは穿いてるとこと、痩せて(見えるようになって)からでもじみ目な服を着てるとこ、化粧はあまり変わってないように見えるし化粧に詳しくなった訳ではないってのがちょっとだけ違和感。
スカートは短くなったけど、デコルテはあんまり強調しないのはレネーの元の性格なのかな?

手放しに4.0点以上に出来ないのは「なんの取り柄もないおデブがそのまま自信満々になったら全部上手く行った」というのではなく「頭が良く、仕事はできるおデブが自信を持ったら上手く行った」というところ。
私の勘違いだが「(才能も容姿も)持たざる者」の成功物語と思っていたのだが「(内面のみではあるが)持てる者」という、結局は「持てる者」の物語だったから。
多分映画が言わんとした所は「どんな人間にも取り柄はあり、自信を持って前面に押し出すことで認められる」という事なんだろうけど、本当に何も取り柄のない人間は存在するからその辺のメッセージは全然入ってこない。そもそも押し出すものがない人間には全然響かない。

映画としてはとても面白かったので、上記の愚痴は完全に私の個人的感性の話。
「自分には取り柄がある筈だけど自信がない…認めてもらえない…」「ありのままの私が好きだけど世の中はそうじゃなさそう…」そんな風に感じてる人には勇気を与える映画なのかも。
こめっと

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