Punisher田中

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニングのPunisher田中のレビュー・感想・評価

3.5
レネーは、冴えない容姿を気にしてばかりで、自分に自信が持てていなかった。
高級コスメ会社リリー・ルクレアのオンライン部門に勤務しているも、地下牢獄のような廃れた職場で華やかとはいえない毎日を送っていた。
ある日、レネーは痩せるためジムに通い始める。しかし、トレーニング中にバイクから転落したことで失神してしまうのだった。
ふと失神から目覚めたとき
「あれ?私、超可愛くない?」
そう、レネーは絶世の美女に変身していた。
勿論、実際は何一つ変わっておらず、レネーの思い込み。しかし、そこから自分を美人だと信じて止まないレネーの新たな生活が始まるのだった。

今、辛い状況に立たされている人にはオススメかもしれない作品。
前に、少しだけ齧っていたアドラーの心理学と伝えていることはほぼほぼ一緒で、他人と勝手に競争し、勝手に優劣をつけてしまうレネーには、僕も自意識過剰なところがあるのでかなり共感できた。
だが、劣っていることに対しての辛さを知っている彼女が勘違いをしてからは、友人を劣っているように指摘する様には多少イライラした。
自分が美人であると勘違いしてもなお、彼女は他人との競争にお熱だったのだろう。
アドラーの「お前の顔を気にしているのはお前だけ」という言葉だけでもこの作品の伝えたいことを伝えきれる気がした。

確かに誰と見ても楽しめる今作だが、後半部分の雑さが全てひっくり返してしまっていたので少し残念。
しかし、レネーの周囲の人間達も魅力的で優しい人ばっかりで心が温まる。
自信は人生を好転させるというのは、正にその通りだと感じる。
くだらない劣等感を感じて色々なことに怖気付いてビクビク生きるより「まぁ〜俺めちゃくちゃカッコいいからな〜、この仕事も秒だわw」と思いながら生きていた方がマジで楽しく感じる。
確かに劣等感を感じることは誰にでもあるだろうが、大体他人なんて自分のことを上から下まで細かく見ているわけじゃないし、好きな服を着て、好きなことをしよう。
「大丈夫、君は可愛いし、カッコいいから」
と今作は語りかけてくれる作品だった。