むぅ

プーと大人になった僕のむぅのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.5
私の中の
子供の私 vs 大人の私

私の中の幼稚園児と小学生が結託して大暴れし、子供サイド圧勝。
何故、プー側に感情移入して観ているのか、途中で疑問に思わなくもない。

大きな音がしそうな枯葉が落ちていると踏みたくなるし、雨上がりに虹を見ると渡れないかなと思うし、不思議な形の雲を見ると何に似てるかなと考えるのが好きだ。
私の中の 子供の私は元気だ。

離れていた時間、どれほどプーさんがクリストファーロビンを大切に想っていたのかが分かる。
大人になったクリストファーロビンを見て、プーさんはすぐに彼だと気付く。
他の子達は、最初は彼を疑う。
クリストファーロビンが子供の自分を取り戻していくと、やっと彼だと信じる。

色んな感情が、大人になるにつれ形を変えていく。
"好き" "嫌い" "嬉しい" "悲しい"
どんどん複雑な色合いになっていく。
"信じる" も、そうかもしれないな、と思った。
大人だから出来る"信じる"もある。例えそれが困難だと分かっていても、もし後悔することになっても構わないと思える大人の"信じる"は強い。
子供の何も疑わず、ただそのままを"信じる"は、キラキラしている透明な結晶みたいで美しかった。

プーさんはクリストファーロビンに会える日を信じていたんだな。
"何もしない"をするプーさんの、
"何もしない"の中には、クリストファーロビンと会える日を"信じる"ことが入っていたのだろう。
愛おしい。

私にも"プーさん"がいる。
3歳の頃、ご近所のお宅で私が抱っこして離さず頂くことになった、私に誘拐、拉致監禁されたピンクのクマのぷー。
小学生の頃、犬が飼いたいけど却下され、買い物に行った際に「この前車買い替えたのに、これが買えない訳がない」と父を恐喝して連れて帰ってきたシベリアンハスキーのペック。
2人とは今も一緒に住んでいる。
きっと、また飲んでるよとコソコソ話をしているだろう。
たまには一緒に飲む?と誘ってみようか。
むぅ

むぅ