中年の悩みとプーのゆるふわ哲学思考
今年期待の作品その2。今後の予定がたたないので、封切り日に鑑賞。
私、大のプーさんとその仲間達ファンでして。安いですけどいろいろグッズも所有しております.. .プーさんのデザインには大きく分けて2種類ありまして、1つはディズニーがデザインした、いわゆるディズニーランドにいるプーと仲間たち。もう1つは本作に登場したプーさん達のように淡いタッチが特徴の、クラシックプーと呼ばれるシリーズ。「クラシックプー」とはA.Aミルンの原作の挿し絵をつけたEHシェパードのデザインのプーさんたちのことです。クラシックプーたちは、テディベアーのようなふわふわ感や、ピグレットの衣装がグリーンだったり、イーヨーの雰囲気が素朴だったりとまさに本作のかわゆいポイントが満載です。
ストーリーは予想より単調だったかな。中年の悩みを抱えたクリストファーロビンのもとに、子供時代の友達であるプーがあらわれ、大事なことを思い出させてくれるという流れ。クリストファーロビンのモデルはミルンの息子。そういえば彼は大正生まれに相当するなあという記憶を途中で思いだし、そのような時代背景も生かしたストーリーでした。
でもやっぱり主役の活躍のプー。おばかさんなんだけど、よーく考えると人生の真髄をついたような発言をするところがキュートで素敵です。自分はピグレット&イーヨーが好きなのですが、イーヨーすごいいいキャラだったなあ。イーヨーはロバさんなので、ぬいぐるみにしたとき大きくてもかわいい稀有なキャラ。お家に連れて帰りたかった..
クリストファーロビン役のユアンマグレカーもいい雰囲気。イギリス児童文学実写に欠かせないキャラですね。
原作ファンとしては、いろいろオマージュが出てきたのがキュンと来ました。木の周りをぐるぐるあるいているだけなのに、足跡が増えているから怪物に追われていると勘違いする話や、ズオウを捕まえるために穴を掘ったもののプーが結局落っこちた話、イーヨーが流される話、北極を見つける話(north pole=北にある棒を見つけるだけなんですが...)
ストーリー自体も、原作は学校に上がるクリストファーロビンのさよならで終わっていた( はず)なので、そこからの続きで非常に良かったですが...
やっぱり中年パートの、仕事に対する答はちょっと短絡的というか、時代背景に頼りすぎというか、「この根拠のない明るさがディズニーでありアメリカなんだよなー」という感想でした。もっとイーヨーほど陰鬱に...とは思いませんが、やっぱりそういうペーソスというか、悲しみや痛みを表現できたほうがもっと話に深みが出たと思います。
今回はぬいぐるみを動かずCGで時間切れだったのかしら...
とはいえ、かわいいぬいぐるみに癒されてください。クラシックプーお好きならなおさら楽しめます。
おまけ:なんで吹き替え版の方が上映多いの??やっぱりこういう作品こそ英語で観るとより雰囲気つかめるのに...