ちちみふくこ

プーと大人になった僕のちちみふくこのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.9
物心のつかない頃から大好きなプーさんの実写。
オープニングからあの本の世界。
橋の上から木の枝で川の水をちゃぷちゃぷやりながら、
「大人がよく聞くだろう、大きくなったら何になりたい?って。僕は何も、って答えるんだ。そしてここへ来て何もしないってことをするんだ。僕はもう、何もしないってことできないんだ。だからプー、僕のかわりに、時々ここへ来て、何もしないってこと、してくれる?」
たしかそんなことを、アニメーションのエンディングで言っていた。
そのエンディングから始まるこの実写映画。
アニメのクリストファー・ロビンはプーさんたちみんなに頼られる、聡明で優しい少年だったなぁ。
あのクリストファー・ロビンでさえ仕事に忙殺されて家族との時間を大事にできないんだから、並の人間なんてそりゃ無理だわ。

ところで今回実写になって明らかになったのは、うさぎさんとふくろうさんがヌイグルミ“じゃない”ってこと。みんな知ってたの?私全員ヌイグルミかと思ってて、「可愛くないうさぎのヌイグルミだな」なんて思ってたけどそうかー!
それにしてもくたびれたヌイグルミが時の流れを感じさせるわ。

大人のクリストファー・ロビンがプーさんを怒鳴りつけてプーさんが「ごめんなさい」と言うところは辛くてキュッとなる。
風船を「何に使うんだ!」「持ってると幸せなんだ」もうこのやりとりだけで物語ってる。

大人のクリストファー・ロビンとプーさんが出会うシーンは、なんとなく捨てても何度も戻ってくる古い人形みたいで一瞬、ヒッとなるけど。

吹き替えで観たら、プーさんやティガーやみんなの声がお馴染みの声でした。堺雅人さんも優しいクリストファー・ロビン。
ただこの映画は子供向けではない。