Iri17

プーと大人になった僕のIri17のレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
4.9
「楽しくないね」「それは風船より大事?」「何もしないを毎日やっている」等のパワーワードで現代人を滅ぼしにくるプーさん。もうこれはハーメルンの笛吹きプーさんですよ。現代人を解放する天使か、路頭に迷わす地獄の使者か…

予告編で、プーさんのホラー感がやたらと強いので不安を覚えた人も多いと思う。確かにボロボロのプーさんが「楽しくないね」なんて言うシーンはホラーだった。でもこれはクリストファー・ロビンの記憶と人間らしさの風化を意味していると思う。
クリストファー・ロビンは社畜に成り果て、家族より仕事を優先する人間になってしまった。プーさんと再会しても「邪魔しないで」「もう何十年も思い出してない」とツレない。
百エーカーの森はクリストファー・ロビンの子供時代の象徴であり、少年時代とは人間が本来あるべき姿である。大人と資本主義の社会に飲まれたクリストファー・ロビンを象徴するかのように百エーカーの森は薄暗く、プーさんは汚れているのだ。
プーさんのお陰で人間性を取り戻したクリストファー・ロビンを象徴するように、百エーカーの森やプーさんや仲間たちも美しくなっていく。

「何もしないは最高の何かに繋がる」このセリフ現代人が1番忘れてる事じゃないだろうか?生活の為の仕事に生活を奪われる。お金を使う事がお金を稼ぐ目的になり、お金を稼ぐことが生きる目的になっている。そんな人生無意味だと思う。
僕も働く事に疲れたら外国の田舎で農業で始めようと思っているので、今年1番心に響く言葉だった。

本当に素晴らしい言葉のオンパレードだった。
上司にパワハラされたら言ってやりますよ
「楽しくないね」そして大外刈りでもキメて辞めてやります。そんで百エーカーの森に行きます。

現代人は全員観るべき映画です!
Iri17

Iri17