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プーと大人になった僕のTSのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.5
【仕事で毎日多忙な人に見てほしい】75点
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監督:マーク・フォースター
製作国:アメリカ
ジャンル:ファンタジー
収録時間:104分
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2018年劇場鑑賞76本目。
これはどちらかというと大人向けの映画。日々仕事で追われていて多忙な人に見てほしい映画。そう言ってる自分も前の三連休も次の三連休もろくに休みがなくカオスな状態。仕事はやりがいがありますが、やりすぎてしまうと何か大切なものを失ってしまう。仕事は生きる手段であり、目的ではないはず。まさかそんな勤労観について、ディズニーがプーで伝えにくるとは思いませんでした。

イギリスの田舎町に住むクリストファー・ロビンは100エーカーの森で毎日プー達と遊んでいた。ところがある日、ロンドンの寄宿学校に転校することになるのだが。。

あまりにも有名な『くまのプーさん』ですが原作は見たことがありません。アニメも映画も見たことがないので、まじまじとプーさんを見るのは初めてかもしれません。今作は吹替で見るのが良いかも。何故ならプーやティガーの吹替をしてるのがアニメ版の声優と同じだからです。(プーの吹替はプー四代目とされるかぬか光明さん)
さて、子どもだったクリストファー・ロビンもすっかり大人になり、家族を持つようになります。ただし、毎日仕事に追われて家族と余暇を楽しむことも出来ない有様。そんな生活の中にプーが潜り込んでいく。空想世界と現実世界が衝突する瞬間と言えましょう。プーの呑気な発言や行動に苛立ちを募らせるクリストファー・ロビン。これはあからさまに仕事が人を追い詰めるという描写であり、近代ヨーロッパの勤労観を示しているものと言えましょう。

「何もしないことをする。」この言葉が胸に突き刺さりました。我々は何故ここまでして仕事をするのでしょう。社会のため、家族のため、自分のため。どれも当てはまるでしょう。しかし、人生一度きりなので、自分がその人生において幸福でなければ仕事をしてもあまり意味がないでしょう。我々は幸福を得るために仕事をしている。これは間違いないと思います。となると、クリストファー・ロビンの現状というのは果たして幸福の道なのでしょうか。

そのあまりにも悲惨な現状にあのプーを投下してくるのでディズニーも面白い。もっとファンタジックな映画かと思いましたが、かなり哲学的であり現実的。知人は号泣したと言っていたので、見る人にとっては相当堪える作品なのかと思います。自分としては、良い話でしたが泣けはしなかった。というところでしてスコアはこれくらい。やはり、仕事のし過ぎは良くないですね。
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