骨折り損

プーと大人になった僕の骨折り損のレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
4.1
プーさんの声が今にも死にそう...。

あの可愛いプーさんの声がめちゃめちゃおじいちゃんで驚いた。メイキング見たら声優はやっぱりガッツリおじいちゃんだったけど、彼が言うにはオリジナルの声を真似ていると言う。オリジナルからそんなおじいちゃんだったか?馴染みのあるアニメ版とかディズニーのライドとかの声は日本語吹き替え版だったから違和感があったのかもしれない。

まあ、最初は驚いたけど結局その声さえも可愛く思えたから結果オーライ!いやー欧米のアニメってなんで可愛いキャラ全部おじさんの声にするんだろう。これだけで論文書けそう。ただよく考えたら声おじいさんなのに物知らないのはちょっと不気味な感じするな。笑えたからいいけど。

同じイギリスということもあって、美術を含める全体的な世界観は『パディントン』を彷彿とさせた。『パディントン』好きな人は楽しめると思う。やっぱりこういうモフモフの、奇想天外なこと言うキャラクターと忙しい文明社会のミスマッチ感は笑えるし、一言一言、芯を食った台詞を言うので考えさせられる。

笑えるし、考えさせられるし、泣ける。
まさにこれぞ娯楽!という題材。それを一切のチープ感を抜きにして堂々と「綺麗な話」に仕上げるところがこれまた気持ちがいい。これやったらセンスあるかなぁとかそういういやらしさを感じさせず、本気でセンスある人たちが黙々と最高の画面を作っている感じ。

大人たちが昔心を躍らせた絵本に、全力で恩返しをしているような作品。ありがとうの結晶のように感じてキラキラして見えた。
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