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スモールフットのJIZEのレビュー・感想・評価

スモールフット(2018年製作の映画)
3.6
賛:過酷で険しい極寒の地を舞台に異人種間の交流をユーモラスに描いている。邦題のスモールフットは直訳で"人間"だがまさに異文化圏の視点を抽出して相互理解を唱えるメッセージ性が染み込んでいる。雪国特有の真っ白な世界観描写とイエティと人間たちの追いつ追われつなシニカルの構図は観てて楽しい。人間とモンスターが所属する心理(視点)を相対化させ見た目で判断できない重要性を唱えている。

否:イエティ種族のビジュアルデザインに癖が感じられミュージカル描写は違和感ないが普通の会話劇や彼らが戯れ合う様は観てて慣れるまでにやや時間がかかるかもしれない。また作品の後半,あれだけ家の天井をつたって無数の重量級のイエティたちが軽はずみに移動しまくってる様もシーンそのものは普通にやり遂げてて破壊活動を擁護しているように感じてしまった。この映画内で人間パートが割とポンコツ的で滑稽に描かれてるのも何かの警鐘かも。

真冬である今の時期にピッタシの長編アニメ映画に思う。前半は娯楽的なミュージカルを織り込み超軽い作風だったが後半から徐々にイエティ側の文化(起源)の黒歴史を乗り越え自分たちなりに前向きに行動を実行する部分に確固たるオリジナル性が秘められていたように感じました。実在しないとされる"スモールフット(人間)"を探す単調なアドベンチャー映画だが裏側には反戦を抑止する現代的な厚さがイエティ部族に擬態させ描かれていたような気がした。
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