このレビューはネタバレを含みます
1970年代のチリでクーデターがあった。
これは、現地でアメリカ人の青年数名が行方不明になった実話を元にした映画。その妻と父親が行方不明の青年を探し出すまでが描かれています。
きつい映画だった。「アクト•オブ•キリング」と言い、現在進行形のウクライナ侵攻と言い、あまりに衝撃が強くて感覚が麻痺しそうになる。
この映画のストーリーも同様です。
娯楽性一切なし。やりきれなくて呆然とする、見るのがしんどい一本でした。
それにしてもまさかこんなに重たい映画だったとは。filmarksのサスペンスってジャンル提示に惹かれてチョイスしたものの、うーん。。
いい加減に[サスペンス≠娯楽]と認識を書き換えなくては😔💦、気楽に見始めた後のショックがすごい。もっと事前にあらすじを読むべきかしら。
映画の終盤で、父親は行方不明だった息子の死を知ります。そしてやりきれない気持ちを、対応の煮え切らないアメリカ大使館やチリの軍人にぶつけます。すると大使は正当性を主張する。
「クーデターへの加担はアメリカ国民の豊かな生を維持するためなんだ」
「あなたも息子のことがなければ、気にならなかったはずだ。」
そして、ジャック•レモンも反論できない。。
河合隼雄さんの言葉を思い出しました。
「...だいたい善意の人というのが無茶苦茶人を殺したりします。よく言われることですが、悪意に基づく殺人で殺される人は数が知れてますが、正義のための殺人ちゅうのはなんといっても大量ですよ。...」
国のためには、個人の犠牲はやむを得ずと言い切った大使。国ってなんなのか。今日もモヤモヤが晴れません。
人間はずっと同じことを繰り返していくの?