ボンクラユースケ

ルイスと不思議の時計のボンクラユースケのレビュー・感想・評価

ルイスと不思議の時計(2018年製作の映画)
4.5
イーライロスがホラー映画の新鋭と言われ早10年ちょっと。 彼の映画はどんだけ内容がエグいものであってもいつも目頭が熱くなる部分があって、それはおそらく彼自身の倫理観に強く由来するものだと思っています。
倫理観という言葉で表現すると凄くお行儀の良い感じがしちゃいますが、決してお行儀の良いなんてものではなく(上品な監督だとは思います)、要はイーライロス監督は真っ当な人なんだってことだと思います。
自分のその時思ってることや感じてることを真っ当に、過不足なく、映画に込めるんですよ。 自分が発信したいメッセージとエンターテイメントとのバランスが毎回上手く取れているなあと感じます。
そんなイーライロス監督がなんとあのスピルバーグのアンブリンエンターテインメントから児童向けノベルを映画化というんだから驚いた。
と同時に彼なら絶対にファミリー層に向けても面白い映画を撮れると確信していました。 彼の倫理観であれば間違いなく大人も子どもも関係なく楽しめる作品になるに違いないと。
結果としては、孤独を抱えた者同士の救済(傷の舐め合いにはなっていないのがまた絶妙なバランス感覚)というテーマで一本筋を通していて、視覚的にもサウンド的にも超気持ちいいシークエンスのつるべ打ちで確信は大当たりでした。
今後のイーライロスのフィルモグラフィでも超重要作なのは間違いナシなので是非見て欲しい一本。