Moyuru

ある少年の告白のMoyuruのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.0
まず言っておくけどとキリスト教全部がこんなんじゃないからね!これ福音派の話。(あと、僕はクリスチャンじゃない)

主人公の家は、父親が福音派の牧師でその妻も主人公もその教会に通ってる。
主人公は自分がゲイであることを家族に告白するが、福音派の家族なのでそれを許容せず、"克服"プログラムへと送り出す。

このプログラム酷すぎ。人権侵害にもほどがある。

親類の中で罪を犯しているものをリストアップさせる。福音派なので人工中絶とかも罪と定義している。
男らしさを強制するために姿勢や態度を矯正する(日本の体育の授業っぽくて気持ち悪い)。
プログラム参加者、指導者、カメラの前で指導者らが罪と定義していることを告白させる(そもそも同性愛は罪ではない)。
そうなったのは親のせいとして、親が目の前にいるつもりで親に対して偽りの怒りをぶつけろと強要する。
挙句の果てには聖書で殴る。無理やり浸礼(洗礼)させる。
それがバレたらやばいって自分達でもわかってるのか、治療内容は秘密にすることだって。

一方、主人公の大学の友達の通う教会はかなりリベラルで、バンド組んでライブしてみんなで(多分、賛美歌)歌ってたりする。
僕の大学の友人の通ってる大学もそんな感じって聞いたなそういえば。
僕が通ってた高校(前述の大学の付属なんだけど)も軽音楽部がバンド練習する場所はチャペルだったり、修学旅行(プロテスタントの学校なので正確には修養会)では有志がバンド組んで賛美歌を歌ってたなってのも思い出した。

主人公の母親はいいね。最初は風貌や敬虔な様からこの人苦手だなと思ってたんだけど。
自身も福音派の信者であることや、夫や夫の仲間の牧師が克服プログラムへ送り出すことを決定してしまったことから息子をそこへ追いやるが、プログラムがなんか怪しいぞって分かってきて、息子が助けを求めたら気丈に立ち向かってた。
「神を愛してるけど、息子も愛してる」とし福音派の教会(つまりは夫の教会)にいかなくなるあたりも本当にいい。

一方父親はだめだね。
最後の方の説教とか最悪。僕の通ってた学校では「隣人を愛せ」って言いまくってたよ。右手の頬を殴られたら左の頬も差し出してやれよ、敵でも愛しなよって。それを、「ただ空っぽで教会に来るやつは信者じゃねぇ」とか馬鹿じゃねーのかって。
彼は結局すべてを受け入れることはできなかったみたいだけど、その後だんだんと考えは変わっていったみたい。

創造論を信じているから子供を学校に通わせない(学校では進化論を教えるから)とか
母体保護のためであっても人工中絶はだめとか
同性愛はだめとか
理解ができない
Moyuru

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