ほのか

ある少年の告白のほのかのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.0







書き出しが思いつかないな…。

評価上がらないなぁって思って観るの先延ばしになってしまってたけど、ようやく観ました。わたしは、ポロポロ泣いてしまったよ…。


育った環境や信仰などの背景もあり、聞かれて即答できるほどに迷いもなく"治し"たいと思ってたのが辛くて辛くて。
同性を愛してしまうことを謝ってる姿もそう言いだした時の両親の反応も見ててとても違和感。あの時代あの家庭では当たり前に謝ってしかるべきことだったとしても、大切で愛して止まない子供に対してもそうであったことを知ることはできるが理解はできない。

「産むんじゃなかった/産まれてくるべきではなかった」(ちゃんと覚えてなくてすみません)がこんなに毒のようにじわじわと心を蝕んでくる言葉だったと気づくとは。本気で言ってるようにみえたけどどうしても、惹かれる相手が同性だってだけで自分の子供に対して本当に本当に心の底からそう思うの?って問い詰めたくなる。キャメロンはジャレッドだったかもしれないし、ジャレッドはキャメロンだったかもしれない。どうあっても家族はキャメロンを追い込む前に助けてあげることはできなかったのだろうか…。


「神は自分の中にいる」がストンと落ちた。
信仰心がないからイマイチ神様の言うことと自分の息子の言うことを比較して信仰を取るのが理解できないのだけれども、自分の人生を聖典を基準として生きてきたのであればそれこそ神様がそうおっしゃっているから、は自分が発信している理由とも言い訳ともとれるんじゃないかな。つまりまあなんだ、神様のせいにするんじゃないよってことよ。自分の子供との間に神様を挟むんじゃないよ。あれだけなんどもジャレッドが自分の扉を開いて待っていたのに踏み込めなかったのは信仰と罪悪感だと思う。そこまでして信じるべきものなんかな、神様って。


母・妻の自立が描かれてたのも至極よかったなあ〜。ニコールキッドマンの顔に張り付いたジャレッドを安心させるための愛想笑いが一転彼女自身の表情に変わるのが、いい。母は強い。