よしおスタンダード

ある少年の告白のよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.6
No.2806

LGBTQや、他の様々なマイノリティーの人々を受け入れられるかどうか、それは

「自分はマジョリティー側だと自認している人々による、多様性の受容力」と密接に結びついている。

しかし、世の中には、マイノリティーを受け入れるとか受け入れないとか以前に、自分の周りにも、マイノリティーは当然のように存在する、ということが、理解できない人がたくさんいる。

最もやっかいなのは、「そういう人がいるのはわかっちゃいるんだけど、僕の思想や信念上、受け入れちゃうわけにいかないんだよねー」というパターン。

この映画では、そのパターンを描いている。

「神の名の下に」絶対に同性愛を受け入れることができない父と、

「神の名の下に」苦痛を受け入れることを強要される息子、

そして「神の名の下であろうがなかろうが、息子の苦痛を受け入れられない」母。

監督のジョエル・エドガートンというと、マッチョな俳優というイメージが私にはあって(それは多分に「ウォーリアー」の影響がでかいw)、

監督作は今まで見ていなかったのだが、期待以上で素晴らしい。

そもそも、本作はアメリカ映画で、舞台もアメリカなのに、アメリカ人の主要キャストは、ルーカス・ヘッジズしかいない!!

エドガートン⇒オーストラリア出身

ニコール・キッドマン⇒オーストラリア育ち(生まれはハワイ)

ラッセル・クロウ⇒ニュージーランド出身

グザヴィエ・ドラン⇒カナダ出身

テオドール・ペルラン⇒カナダ出身

ジョー・アルウィン⇒イギリス出身

トロイ・シヴァン⇒オートストラリア育ち(生まれは南アフリカ)

フリー⇒オーストラリア出身

見事なまでにインターナショナルである。

当然、意図的なキャスティングであろうが、すでに多様性が展開されているのである。