kingyohime

ホテル・エルロワイヤルのkingyohimeのネタバレレビュー・内容・結末

ホテル・エルロワイヤル(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

二つの州にまたがった場所に建てられたホテル、エルロワイヤル。
そこに4人の男女が集まる。
掃除機を売るセールスマン、黒人の女性歌手、神父、白人女性。
彼らは皆訳ありで、セールスマンは実はホテルを探る警察関係者、黒人女性は歌手として売れるために心の傷を抱えており、白人女性はカルト集団から妹を守ろうとしている。
そして、神父は10年前にこのホテルに隠した、強盗した金を取返しにやって来た。
そして、このホテル自体にも秘密があって、その秘密を探るために警察関係の男性はやって来たが、彼はそれを探る内に他の宿泊者の秘密を見てしまう事となりー。

とにかく、設定が秀逸だった。
特にホテル。
一見すると平屋が並んだような外国でよく見かける安いタイプのホテルなのに、中に入ると意外にも高級感がある。
そして、州が分かれている所に線が引かれ、同じホテル内でも州の規則にのっとってたり、宿泊費が違う。
このホテルに強烈に惹かれて見ているだけで心が躍った。
ラスト、終わらせ方もオシャレですごくいい。

ただ、中途半端だな・・・と思ったのもいくつか。
警察の男性が早々と死んでしまうこと。
結局、このホテルのオーナーの素性は?
テープの内容は?
という所が不完全だった。
長い映画ではあるけど、それでさばききれないくらい、あまりにたくさん盛り込みすぎだように思う。

チャールズ・マンソンのような男が出て来て、最近、そういった映画を続けて見ていたので、またか・・・と思った。
カリスマ性のある様子で訳の分からない事を言って人を恐怖に陥れる。
その男を恐れもせずに堂々と自分の意見を言う黒人女性が素晴らしくて、彼女の言葉が私が思ってる通りの事だったので胸がスカッとした。
その場面がこの映画で一番良かった。
恐いものがないくらいつらい思いをしてきた人なんだな・・・と思った。

登場人物の服装や建物の様子を見ると、時代が今のものでなく、何十年か前の設定で、それも良かった。
古臭い感じでなく、どこか無駄がある所が見ていてホッとした。
kingyohime

kingyohime