いわゆるスポーツで人生を変える更正するというスポ根ドラマですが、ハードな内容で決して気軽に観れるタイプの映画ではありません。
冤罪という訳ではないので自業自得な感じは否めませんが、主人公の痛まし過ぎるハードな物語は訴え掛けて来る物があります。
とにかく痛まし過ぎて観ていられず途中何回か止めました。心身共に万全な時に観るのをオススメします。
タイは麻薬に厳しいと聞いていたが、初犯みたいな感じで外国人なのにいきなり懲役刑かと驚く。
タイの刑務所の現状に絶句…。撮影場所は本物の刑務所だそうなので、今でもこんな感じなのかと驚く…。身がくっ付く雑魚寝、レイプと苛め暴力当たり前でよくこれで人権保護団体が騒がないなと思う。
罪を償う場所というより耐える場所ですね。確かに1度受刑したらもう２度と来たくないと思えるから抑止力なるのかも知れないけど、刑務所で更に人格歪みそう…。
前述したように本物の刑務所での撮影。更には本物の元囚人をキャストに器用してるために映像から滲み出る緊張感が半端ない。
あの全身刺青でもうビビる…。刺青入れたのは刑務所の中らしいので、そういう自由はあるのかと笑う。レディボーイとイチャイチャ出来るみたいだし…そういう所を自由するより刑務所の衛生状態とか暴力行為を改善しろと言いたくなるw
ストーリーは中盤迄は主人公が苦戦受ける過酷な日々が中心でツラい…。ムエタイのコーチが彼の才能を見抜いてからやっとスポ根ドラマが始まる感じ。スポ根ドラマが始まっても一筋縄では行かず過酷な状況と刑務所が成長を阻害してくる感じはエグいけど見入る。
試合シーンは荒々しく洗練された物ではありませんが、映画に非常に合っていると思います。
タイ語が言葉がよく分からないという設定なので台詞は少ない。１人だけ白人で異質な状況の中で必死にもがく主人公を肉体とその存在感で演じたジョー・コールさんの名演が光る。主人公の強さと脆さもよく表現されていると思います。
主人公のタイに来る迄の生活やなぜタイに流れついたとか、自堕落の原因とかの部分は省略したのか説明がない。世界的ベストセラーなので原作を見ているのは当然という事なのか？私は原作を読んでいないので分からないが、原作もその部分話はないのかも知れない。もしくはそこを知りたければ原作読めということかw
ご本人も登場するがボクシングとムエタイやっていた割には恰幅良くてギャップにビックリ。長年の拘禁状態の反動なのか…あれから年月が経っているからなのか…。
過酷な環境の中でも戦う事を止めなかった壮絶な男の人生をリアリティーたっぷりに描き魂を揺さぶる映画でした。
