ベルサイユ製麺

ユージュアル・ネイバー/マッド・マザー 生贄の少年のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.2
『ユージュアル・ネイバー/マッド・マザー 生贄の少年』のタイトル前半部分、“ユージュアル・ネイバー”って、…たまに有る日本オリジナルの英語タイトルなんですよね。…凄く個人的な感覚なのかもしれないのですが、コレめっちゃくちゃにダサくないですか⁈この語の並び!響き!無難そうな線を狙って最悪にカッコ悪い語感になってると思いますよ。…ネタバレ全開の副題は、もはや笑える間抜けさなので別に良いのですけど、『ユージュアル・ネイバー』はダメ〜。ありえん。
という事でスルーしようと思ってた作品でしたが、他作品に入ってた予告編見たら存外に良さそうだったので、パッケージを手にとってみましたよ。おお!マイケル・シャノン出てる!好き!それから、『ミスター・ロンリー』でマリリン・モンローやってたサマンサ・モートンが…“マッドマザー”で、この男の子が…“生贄”、と…。やっぱこの副題ダメじゃない⁇観るのやめようかな…、とか思いながらパッケージをひっくり返してみたらですね、裏面に“ブラッドガッツUKホラー賞”とか書いてあるですよ!何それ、気になるー!更にもう一つ何か受賞してるみたいなのだけど、準新作シールが貼られてて見えないな…。何だろう?東スポ映画大賞?ジオン十字勲章?一年戦争の英雄なの?殉職した?高校は?彼氏は?疑問が止めどなく溢れてきます。…しゃあない、観ればいいか。

田舎町。車椅子の少年。足が悪いというよりは、歩くだけの体力が無いようです。
いつものように自室のベッドでぐったりしてると、窓の外から女の子が覗いてる…。同い年くらい?女の子の名はマリアン。両親を亡くし、知り合いもいない田舎に引き取られて来たばかりでした。物怖じしないマリオンは窓から部屋に上がり込み、直ぐに仲良くなります。
しかし、マリオンに気がついた少年の両親にサッサと追い返されてしまいます。少年の両親、お父さんはまだしも、お母さん…なんか怖い。無表情で「goodbye」。変なの。
それからも懲りないマリオンはしょっちゅう訪ねて来てはにべもなく追い返され、その度に段々とお母さんは態度を硬化させていきます。
ある日、少年の家に忍び込んだマリアンは、帰宅した両親から隠れるために地下室に逃げ込みます。そこで彼女が目にしたのは…!

うん。なかなかですぞ!悪くない!悪くはないけど…。
ボーイ・ミーツ・ガールから秘密を共有するに至る導入も程よい甘酸っぱさです。そんな時の両親の存在なんて恐怖でしかないですよね。少年の両親の様子も事細かに描写され、人間ドラマとしての鑑賞にも耐えます。やはりマイケル・シャノンの佇まいが素晴らしい!一方母親役のサマンサ・モートン。“怖がらせ係”をほぼ一手に担う役柄ですが、ちょっとだけ陳腐に見えたかもしれないです。ちょっと人格設定に無理が有るんですよね。
中盤からのビックリ展開、ホント悪くは無いのですけど、どうしても映画をある程度の本数観てると先が読めちゃう感は否めないと思いました。…とか、思いながらもう一度ジャケット写真眺めたら…いくらなんでもネタバレ過ぎ!85%ぐらいのとこまで煽りでオチ書いちゃってますよ!!酷い!
まあ、結局ドンデン返しも読めちゃったのですが、ラスト15分、急に全体のムードが70年代のサスペンスみたいになるトコはとても良かったです。作品そのものは嫌いでは無い。でも惜しい!って感じです。なんとなく全体的な構図が何かの隠喩になっているような気がするので、ゆっくり考えてみようと思います。(と書くだけ。直ぐ忘れる)

タイトルはやっぱり最低です!もうちょっと直接的でなくて、センスのいいタイトルを考えてみますね!
…えーと。

『ネクスト・インハビタント /クレイジーレディ 身代わりの男児』!!
よし、完璧!