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ユージュアル・ネイバー/マッド・マザー 生贄の少年のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.1
ボーイミーツガール+ミステリー

両親を失くし祖父母に引き取られたマリアン。
新生活にいまいち馴染めずにいたが、ひょっここり隣の家(といっても大分離れている)の難病らしい少年と知り合います。

前半はほっこり難病の少年と孤独な少女が友情を温める話。そこに少年の母親が介入し会うことを禁じたりと過保護振りを大発揮。

ほとんど空気な存在の少年の父親(マイケル・シャノン)が良かったです。ちょっと丸めた背中、妻を宥める口調のくたびれ感、諦観に似た葛藤、つかの間の情事に求めた優しさなどなど。

一方の母親(サマンサ・モートン)の毒親振りも見事でした。本来のお顔が怖いのに加えての半狂乱振りが恐ろしい。

意味ありげなOPは何の意味も無かったのには笑いました。野球で始まり野球で終わる、それだけの意味しかありません、あんなに意味深だったのに 笑

話の中心になるボーイミーツガールの部分は、まあ後半の展開の転換の布石みたいなもんです。ミステリーとしてはあまり練られていないので、単に暴走した母親の愛情の破綻を描きたかったのかも知れません。

仮に女医だとしてもあれだけの医療機器を揃えた地下室がある家(手術も可)というのはリアリティが無くてちょっと醒めた部分。

マイケル・シャノンがとにかく良かったです。